🟦 はじめに:カタカナ語は“現代文の基礎語彙”
現代文の評論文では、外来語(カタカナ語)が
抽象概念・心理・社会現象を短く正確に伝える言葉として多用されます。
しかし、日常語として曖昧に理解していると、
筆者の主張の方向性・文章の骨格・設問の意図が読み取りづらくなります。
この「カタカナ語①」では、
大学入試で出る頻度が非常に高い“基礎〜中核”の25語
を厳選して解説します。
どれも “意味を知っているだけで読解の負担が軽くなる語” ばかりです。
🟦 カタカナ語①:大学入試の重要語25選
コンテクスト(context)
意味: ある言葉・行動・出来事が置かれている文脈。
現代文ポイント: 文脈が変わると意味が変わるという“前提”を理解する語。
注意点: シチュエーション(場面)とは異なり、意味の背景そのものを指す。
アイデンティティ(identity)
意味: 自分は何者かという自己の一貫性・同一性。
現代文ポイント: 近年の評論で最頻出。個人と社会・文化の関係を読む鍵。
注意点: “自己紹介”ではなく“存在の根本”を指す。
コミュニケーション(communication)
意味: 情報・感情・考えを相手と共有する行為。
現代文ポイント: 「伝達=コミュニケーション」ではなく“相互の理解”が重要。
注意点: 一方通行の伝達とは違う。
フィードバック(feedback)
意味: 結果をもとに改善へと戻す働き。
現代文ポイント: システムや学習論で必ず登場。
注意点: 単なる“感想”ではなく“改善の循環”を含む。
インセンティブ(incentive)
意味: 行動を促す要因(報酬・罰・動機づけ)。
現代文ポイント: 経済・心理・教育で頻出。
注意点: “やる気”とは別。制度的刺激としての意味。
アプローチ(approach)
意味: 物事に取り組む方法・視点。
現代文ポイント: 方法論や分析手法の違いを説明する際に重要。
注意点: “近づく”より抽象的。
ニュアンス(nuance)
意味: 言葉・表現に含まれる微妙な意味合い。
現代文ポイント: 選択肢問題で差がつく語。
注意点: 明示されない含意を読む。
リスク(risk)
意味: 危険性・損害を被る可能性。
現代文ポイント: 「危険そのもの」ではなく“危険の確率”を指す。
注意点: “danger”とは別。
インパクト(impact)
意味: 強い影響・衝撃。
現代文ポイント: 社会変化・文化現象の影響度を読む際に重要。
ボランティア(volunteer)
意味: 自発的な奉仕活動。
現代文ポイント: 日本的“善意活動”より広く「自主的関与」の意味がある。
モチベーション(motivation)
意味: 行動を起こす心理的エネルギー。
現代文ポイント: 内発的/外発的動機の区別が読解に関わる。
プライバシー(privacy)
意味: 個人の私生活に関する権利・領域。
現代文ポイント: 情報化社会の文章で頻出。
クオリティ(quality)
意味: 質の高さ。
現代文ポイント: 量ではなく質的価値を説明するときに使われる。
ダイナミズム(dynamism)
意味: 力強さ・活動の勢い。
現代文ポイント: 社会変動・歴史の流れを語る際に用いられる。
パラドックス(paradox)
意味: 真理を含む逆説。
現代文ポイント: 哲学・論理の文章で重要。
注意点: “矛盾”とは違い、深い意味を含む。
プロセス(process)
意味: 物事が進む手順・過程。
現代文ポイント: 結果より過程を重視する論で多用。
コンセプト(concept)
意味: 基本的な考え方・概念。
現代文ポイント: 筆者の主張を理解する際に欠かせない。
マイノリティ(minority)
意味: 社会の中の少数派集団。
現代文ポイント: 同調圧力・多様性・共生の議論と相性が強い。
マジョリティ(majority)
意味: 多数派集団。
現代文ポイント: 社会の規範・常識が誰視点で語られているかを判断する鍵。
システム(system)
意味: まとまりを持った仕組み・構造。
現代文ポイント: 社会・教育・経済で万能。
メディア(media)
意味: 情報を伝達する媒体。
現代文ポイント: 情報倫理・表象論で高頻度。
カテゴリー(category)
意味: 分類・範疇。
現代文ポイント: 物事をどう分けるかが議論の出発点になる。
コミュニティ(community)
意味: 地域・関心・価値観でつながる集団。
現代文ポイント: 孤立・共同体論で重要。
ハイブリッド(hybrid)
意味: 異なる要素を組み合わせて生まれたもの。
現代文ポイント: 文化融合・技術・価値観の複合性に関連。
サステナビリティ(sustainability)
意味: 持続可能性。
現代文ポイント: 現代社会の最重要キーワード。
🟦 まとめ:カタカナ語は“抽象語の入口”
今回の25語は、
現代文読解における“基礎語彙の中核” となる語です。
これらを理解しておくと:
- 抽象論の流れがわかる
- 選択肢の微妙な違いが判断できる
- 本文中の筆者の意図がつかみやすくなる
- 社会・文化・心理の議論が読みやすくなる
といった効果があります。。

