白色光はほんとに盛れるの?
映えスポットで自撮りをしたり,SNSに写真をあげるとき,写真の「盛れ具合」を気にしますよね。白っぽい光の方が盛れると感じてライトの色を意識している人も多いでしょう。自撮りや動画の時に自然できれいに見える光を選ぶのはちょっとした工夫のひとつです。
ではなぜ,白色の光を使うと肌や髪がきれいに映るのでしょうか。今回はこの感覚的なテクニックを物理の観点から見ていきましょう。
反射光スペクトル
スマホ内蔵のノーマルカメラは,およそ5000K~6000Kの白色光です。この光は太陽光に近く,全体的な色を自然に見えやすいという利点がありますが,肌や背景の色によって光の反射が偏ることがあります。ここで重要なのが反射光スペクトルです。
スペクトルとは,光を波長ごとに分けたときの分布のことです。肌に当たる光がどの色の成分をどれだけ反射するかによって,写真の印象が大きく変わります。反射光スペクトルは次の式で表されます。
\[\boldsymbol{反射光スペクトル=入射光スペクトル\times 肌の反射率}\]白色光は赤・青・緑など可視光全域をバランスよく含むため,肌の色を自然に反射させることができます。そのため,入射光のスペクトルが広く均一であれば,反射光スペクトルも整い,肌のトーンが安定して写真に写るのです。
色温度で見る
光の色は,色温度(K)で表されます。
・\(2000~3000\mathrm{K}\):暖色系(オレンジ寄り)
・\(5000~6500\mathrm{K}\):白色光
・\(10000\mathrm{K}~\):青白い光
自撮りや動画撮影では,白色光の中でも昼白光と呼ばれる約5000~5300Kの光が特に自然に見えます。
肌の色や背景の雰囲気に合わせて微調整するとさらに盛れた印象になります。
・ブルべ:昼白色光よりやや高め (5500~5800K)
・イエべ:標準昼白色光 (5000~5300K)
この光選びにより,肌の色ムラや影の強さを抑えることができ,結果的に写真映えが良くなるわけです。
いかがでしたか?
こうしてみると普段なんとなく写真映えのために実践している工夫は,単なる経験則や勘ではなく,しっかりと物理的な原理に基づいたクニックであったともいえます。道具や運動だけでなく,自撮りの方法まで物理が関わっていると考えると,興味深く感じてきませんか?
今日の公式
\(\boldsymbol{反射光スペクトル=入射光スペクトル\times 肌の反射率}\)
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