はじめに:「〜観」は筆者の〈世界の見方〉を示す言葉
現代文の評論では、筆者が
世界・人間・社会・自然をどのように見ているか
を示すために、「〜観」という語が多用されます。
「〜主義」が
→ 思想・立場・理論の名前
であるのに対し、
「〜観」は
→ 思考の前提となる〈ものの見方〉
を表します。
そのため「〜観」を取り違えると、
- 筆者の価値判断
- 批判の方向性
- 対立している考え方
が見えなくなってしまいます。
ここでは、大学入試の現代文で特に重要な
「〜観」語14語を、読解に直結する意味で整理します。
「〜観」語の詳しい解説【大学入試の重要語14選】
世界観(せかいかん)
意味: 世界全体をどう捉えるかという基本的な見方。
読解ポイント:
・宗教・哲学・文学・科学すべてに関わる
・「近代的世界観」「科学的世界観」などの形で頻出
人間観(にんげんかん)
意味: 人間とはどのような存在かという見方。
読解ポイント:
・性善説/性悪説
・理性的存在か、感情的存在か
という対立軸で使われやすい
自然観(しぜんかん)
意味: 自然をどう捉え、人間とどう関係づけるかという見方。
読解ポイント:
・支配の対象か/共生の相手か
・環境問題・文明批評で頻出

歴史観(れきしかん)
意味: 歴史の進み方や意味をどう捉えるかという考え方。
読解ポイント:
・進歩史観/循環史観
・歴史に「目的」があるかどうか
価値観(かちかん)
意味: 何を大切だと考えるかという基準。
読解ポイント:
・世代間・文化間の対立で頻出
・「価値観の相違」という表現は要注意(中身を読む)
倫理観(りんりかん)
意味: 善悪・正不正を判断する基準。
読解ポイント:
・功利主義・義務論との関係
・医療・科学・AI倫理などで登場
死生観(しせいかん)
意味: 生と死をどのように捉えるかという見方。
読解ポイント:
・宗教・哲学・文学評論で頻出
・人生観と密接に関わる
宗教観(しゅうきょうかん)
意味: 宗教をどう理解し、社会とどう位置づけるかという見方。
読解ポイント:
・信仰の是非ではなく「機能」に注目
・世俗化論と結びつくことが多い
科学観(かがくかん)
意味: 科学の役割や限界をどう捉えるかという考え方。
読解ポイント:
・万能視/相対化
・科学主義批判の文脈で頻出
身体観(しんたいかん)
意味: 身体をどう捉えるかという見方。
読解ポイント:
・心と身体の関係
・近代的理性中心主義への批判と結びつく
言語観(げんごかん)
意味: 言語をどのようなものと考えるかという見方。
読解ポイント:
・伝達手段か/思考を規定するものか
・構造主義・ポスト構造主義と関係が深い

教育観(きょういくかん)
意味: 教育の目的や役割についての考え方。
読解ポイント:
・知識伝達か/人格形成か
・構成主義との関連が多い
労働観(ろうどうかん)
意味: 働くことの意味や価値をどう捉えるかという考え方。
読解ポイント:
・生計手段か/自己実現か
・資本主義批判と結びつく
人生観(じんせいかん)
意味: 人生をどのようなものと考えるかという総合的な見方。
読解ポイント:
・死生観・価値観と連動
・文学評論で頻出
まとめ:「〜観」を押さえると、筆者の前提が見える
「〜観」は、
**筆者が無意識に前提としている〈世界の見方〉**を言語化した語です。
現代文では、
- 筆者はどの「〜観」に立っているのか
- どの「〜観」を批判・相対化しているのか
- 複数の「〜観」がどう対立しているのか
を意識すると、
文章の論理構造が一段クリアになります。
次は、
👉 📘 現代文読解のための語彙力|「〜性」語まとめ【大学入試の重要語28選】
へ進むことで、
「性質・傾向・あり方」を表す抽象語の理解をさらに深めることができます。
▶ 現代文の重要語彙を体系的に整理した記事は、
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