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傘がひっくり返るのはなぜ?
雨の日に傘をさしていると、風によって傘が裏返ることがありますよね。風に対して平行に傘を向けていてもひっくり返ってしまうことを疑問に感じたことはありませんか?実はこれ物理的に正しい現象なんです!普段何気なく使っている傘にも、力学的な理由が隠されています。
裏返る仕組み
傘に風が当たると、傘の外側の気圧は傘の内側よりも低くなります。つまり内側の圧力\(P_内\)>外側の圧力\(P_外\)という状態になり、傘の外側と内側の気圧の差で内側から外側に向かって力が働きます。この力が傘の骨組に加わることで傘は裏返ってしまうのです。

条件を考える
圧力の公式は\(P=\dfrac{F}{S}\)
傘の表面積を\(S\)とすると、傘の内側と外側の圧力差は
\(\Delta P=P_内-P_外\)
となります。つまり傘には
\(F=\Delta PS\)
の力が押し上げ方向にかかります。この力が傘の骨組の耐久力を上回ると傘はひっくり返ってしまいます。
また、この式からもわかるように傘の表面積が大きければ大きいほど、同じ圧力差でも傘にかかる力は強くなります。そのため広い傘ほど強風時には注意が必要です。
いかがでしたか?
厳密にいえば、傘がひっくり返る理由には抗力というものも関係しています。実際には風が弱くても角度や方向によって傘が急に裏返ることがありますが、これも抗力の影響と考えられます。抗力の計算は高校物理の範囲では詳しく扱いませんが、興味がある方は調べてみると、より理解が深まるでしょう。
今日の公式
\(P=\dfrac{F}{S}\)

