【物理】日常スケールで測る雷の力|日常の物理

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雷の電力は家庭何世帯分?

雷は,積乱雲の中にたまった電荷が一気に移動することで起こる自然現象です。空を切り裂くような光や大きな雷鳴からも分かるように,雷は非常に大きなエネルギーを瞬間的に放出しています。雷の電圧は1億~10億V,電流は1万~20万Aと言われています。今回は,これらの数値を使って,雷がどれほどの電力,そして電力量をもつのかを物理の公式で見積もってみましょう。

雷の電力を求める

電力 \(P\) は電圧 \(V\) と電流 \(I\) を用いて
\[P=IV\]
と表されます。

ここでは一例として,
電圧を\(1.0\times10^8\mathrm{V}\) ,電流を\(3.0\times10^4\mathrm{A}\)として計算します。
\[\begin{align}P&=IV\\&=(1.0\times10^8)\cdot(3.0\times10^4)\\&=3.0\times10^{12}\mathrm{W}\\&=3\mathrm{TW}\end{align}\]
一般的な家庭の消費電力はおよそ 1~2kW です。この結果から,1 回の雷が瞬間的に放出する電力は,約1億5千万世帯分に相当することになります。雷がほんの一瞬で桁外れのパワーを持っていることが分かりますね。

雷の電力量を求める

次に,雷が放出するエネルギー(電力量)も考えてみましょう。
時間を \(t\) とおくと,電力量 \(W\) は,ジュールの法則
\[W=IVt\]
によって表されます。

雷の落雷時間は大体 \(0.001\)~\(0.1\) 秒程度とされているため,ここでは \(t=0.01\mathrm{s}\) と仮定します。
\[\begin{align}W=IVt&=Pt\\&=3\mathrm{TW}\times0.01\\&=3.0\times10^{10}\mathrm{J}\\&=30\mathrm{GJ}\end{align}\]

このエネルギーはガソリンに換算するとおよそ800L分に匹敵します。これは一般的な自動車で地球を 1/4 周走行できる量に相当します。

いかがでしたか?

雷は電気だけでなく、振動や音・光などの波分野を中心にさまざまな分野と深く関係しています。今回の内容を発展させて,雷の音が遅れて聞こえる理由や,電磁波との関係を考えてみると,さらに理解が深まるかもしれません。日常の現象を物理で読み解くことで,教科書の内容はより身近なものになります。

今日の公式
\(P=IV\)
\(W=IVt\)


※この記事群は【教科別ミニ読み物】の一部です。
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