はじめに:「〜論」は〈考え方の枠組み〉を示す言葉
現代文の評論では、
筆者の主張そのものよりも先に、
- どのような枠組みで物事を考えているのか
- どの理論・考え方に立脚しているのか
を示すために、「〜論」という語が用いられます。
「〜主義」が
→ 思想・立場の“名前”
「〜観」が
→ ものの見方・前提
「〜性」「〜化」が
→ 性質や変化の方向
だとすれば、
「〜論」は、議論を組み立てるための〈理論の型〉を示す語
だと言えます。
この語群を押さえることで、
「筆者は何について語っているか」だけでなく、
**「どういう理屈で語っているか」**が見えるようになります。
「〜論」語の詳しい解説【大学入試の重要語14選】
本質論(ほんしつろん)
意味: 物事の根本的な性質や核心を明らかにしようとする考え方。
読解ポイント:
・表面的説明を退ける文脈で使われる
・「そもそも〜とは何か」という問いが合図
機能論(きのうろん)
意味: それが「何であるか」より「何を果たしているか」に注目する考え方。
読解ポイント:
・宗教論・言語論・制度論で頻出
・価値判断を避けやすい
構造論(こうぞうろん)
意味: 個々の現象の背後にある関係性や仕組みに注目する考え方。
読解ポイント:
・構造主義と関係が深い
・個人よりシステムを見る

進歩史観(しんぽしかん)
意味: 歴史はより良い方向へ進歩していくという考え方。
読解ポイント:
・近代批判の文脈で否定的に扱われることが多い
・楽観的歴史観

循環論(じゅんかんろん)
意味: 歴史や社会は進歩ではなく、循環・反復するとする考え方。
読解ポイント:
・進歩史観との対立
・文明の盛衰論で登場
決定論(けっていろん)
意味: 人間の行為や出来事は原因によって決定されているとする考え方。
読解ポイント:
・自由意志論との対立
・科学論・脳科学の文脈
自由意志論(じゆういしろん)
意味: 人間は自らの意思によって行動を選択できるとする考え方。
読解ポイント:
・責任・倫理と深く関わる
・決定論との対比が必須
相対主義論(そうたいしゅぎろん)
意味: 真理や価値は状況によって変わるとする立場を理論化したもの。
読解ポイント:
・普遍主義批判
・文化論で頻出
普遍主義論(ふへんしゅぎろん)
意味: 文化や時代を超えて成り立つ普遍的価値があるとする考え方。
読解ポイント:
・相対主義との対立構造を意識
表象論(ひょうしょうろん)
意味: 世界がどのように表現・再現されているかを問う理論。
読解ポイント:
・メディア論・芸術論で頻出
・「現実そのもの」ではなく「表され方」に注目
言語相対論(げんごそうたいろん)
意味: 使用する言語が思考や認識の枠組みに影響するという考え方。
読解ポイント:
・言語観と密接
・強弱の立場がある点に注意
社会構成主義論(しゃかいこうせいしゅぎろん)
意味: 知識・価値・現実は社会的相互作用の中で構成されるとする理論。
読解ポイント:
・客観的事実への疑問
・教育論・ジェンダー論で登場

文明論(ぶんめいろん)
意味: 文明の成り立ち・発展・衰退を総合的に論じる考え方。
読解ポイント:
・文明批評・近代批判と結びつく
・歴史観が前提になる
文化相対論(ぶんかそうたいろん)
意味: 文化はそれぞれの文脈の中で理解されるべきだとする考え方。
読解ポイント:
・異文化理解の基本
・価値判断の留保がポイント
まとめ:「〜論」は筆者の〈思考の土台〉を読む鍵
「〜論」は、
筆者がどの理論的枠組みで思考しているかを示す言葉です。
現代文では、
- どの「〜論」に立っているのか
- どの「〜論」を批判しているのか
- 複数の「〜論」をどう整理しているのか
を意識することで、
議論の流れと主張の位置づけが一気に明確になります。
次は、いよいよ抽象語シリーズの締めにあたる
👉 📘 現代文読解のための語彙力|「〜構造」語まとめ【大学入試の重要語14選】
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**社会・言語・思考の「見えない仕組み」**を読む力を完成させることができます。
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