🟦 はじめに:意味の取り違えは“読解の致命傷”になる
現代文の読解で多い誤りの一つが、
「知っているつもりの語」を誤読してしまうこと です。
- 日常語としての“なんとなくの意味”
- 正しい日本語としての意味
- 評論の文脈での厳密な意味
これらがズレていると、本文の意図・筆者の主張・選択肢の正誤が
大きくズレてしまうことがあります。
ここでは、
高校生が実際に誤読しがちな語を20語厳選し、
読解に必要な正しい意味・使われ方を整理します。
🟦 誤用しやすい語①:高校生が間違えやすい20語
情緒(じょうちょ)
正しい意味: 繊細で深い感情・風情。
誤用: “情緒不安定=メンタルが乱れている”のイメージだけ。
破天荒(はてんこう)
正しい意味: 今まで誰も成し得なかったことをする。
誤用: 乱暴・豪快という意味は誤り。
気が置けない
正しい意味: 気を使わなくてよい、遠慮しなくてよい。
誤用: 気が抜けない(気を張る相手)と混同。
敷居が高い
正しい意味: 過去の不義理などで、その家に行きにくい。
誤用: 高級で入りにくい、は誤用。
煮詰まる
正しい意味: 議論が行き詰まる → ✕
正確には: 結論に近づいている(詰めの段階)。
誤用: 行き詰まる、進まない。
按配(あんばい)
正しい意味: ほどよい具合。
誤用: 安倍・塩梅(誤字)や“塩分配合”と混ざる。
独壇場(どくだんじょう)
正しい意味: その人だけが活躍できる場。
誤用: “独断場”は誤字。
失笑(しっしょう)
正しい意味: 思わず吹き出す笑い。
誤用: あざ笑う、ばかにする(完全誤読)。
他力本願(たりきほんがん)
正しい意味: 仏教語で、他人の力によって救われること。
誤用: 他人任せで怠けること。
姑息(こそく)
正しい意味: その場しのぎ。
誤用: 卑怯、ずるい。
浮き足立つ
正しい意味: 落ち着きを失う。
誤用: 足取りが軽くなる(全く逆)。
うがった見方
正しい意味: 本質を捉えた見方。
誤用: ひねくれた見方。
憮然(ぶぜん)
正しい意味: がっかりして呆れる様子。
誤用: 怒っているよう。
情けは人のためならず
正しい意味: 人に親切をすると巡り巡って自分に返る。
誤用: 親切は相手のためにならない。
元旦(がんたん)
正しい意味: 1月1日の朝(午前中)。
誤用: 元日と同義ではない。
確信犯(かくしんはん)
正しい意味: 自分の行為は正しいという信念を持って行う犯罪。
誤用: 悪いと知りながらやる犯罪。
情状酌量(じょうじょうしゃくりょう)
正しい意味: 情状=事情を指す。
誤り方: “情緒”と混ざる。
役不足(やくぶそく)
正しい意味: 本人の力に役が軽すぎる。
誤用: 役が重すぎて務まらない。
琴線に触れる
正しい意味: 感動・共感を呼び起こす。
誤用: 触れて怒らせる(完全逆)。
確固たる
正しい意味: 揺るぎないさま。
誤用: “頑固”と混同。
🟦 まとめ:誤用しやすい語は“正しい意味のアップデート”が必須
この20語は、
日常と現代文で意味がズレやすい語の代表格です。
特に
- “なんとなく使っている意味”
- “本来の意味”
の差を理解できると、
本文の意図がクリアに読み取れるようになります。

