🟦 はじめに:微妙な意味の“ズレ”が解答の正誤を左右する
誤用②では、
日常的な意味と評論文での意味のズレが特に大きい語を扱います。
これらの語は、
“なんとなくのニュアンス”で読んでしまうと
筆者の主張を誤って解釈しやすい語ばかりです。
🟦 誤用しやすい語②:意味のズレに注意すべき15語
肯定(こうてい)
正しい意味: 価値を認める
誤用: “賛成する”と混同(賛否ではなく価値判断)。
批判(ひはん)
正しい意味: 良い悪いを判断する行為。
誤用: 悪口・否定の意味だけで読む。
乖離(かいり)
正しい意味: 二つが離れて一致しない。
誤用: ただの“ズレ”程度と読むと弱い。
矛盾(むじゅん)
正しい意味: 両立しない二つが同時に主張されること。
誤用: 単なる“違い”程度の意味。
普遍(ふへん)
正しい意味: 時代・状況を超えて成り立つこと。
誤用: “一般的”とは違う。
暗黙の了解
正しい意味: 同意の有無が曖昧なまま共有されている。
誤用: “暗黙の同意”という意味はやや誤用気味。
道理(どうり)
正しい意味: 理にかなった筋道。
誤用: “常識・当たり前”とは異なる。
建前(たてまえ)
正しい意味: 表向きの主張
誤用: 嘘・偽りと同義ではない。
詭弁(きべん)
正しい意味: 一見正しく見えるが本質を外した論。
誤用: ただの“嘘”とは異なる。
主体(しゅたい)
正しい意味: 行為を担う中心。
誤用: “主役”っぽく誤読。
相対(そうたい)
正しい意味: 他と関係づけて成り立つ。
誤用: “普通ではない”の意味ではない。
逆説(ぎゃくせつ)
正しい意味: 表面的には矛盾に見えるが真理を含む。
誤用: 結論が逆だから“逆説”という誤解。
対照的(たいしょうてき)
正しい意味: はっきりとした違いが際立つ。
誤用: なんとなく“対立的”と混同。
象徴(しょうちょう)
正しい意味: ある概念を代表するイメージ・記号。
誤用: 単なる“例え”とは違う。
抽象(ちゅうしょう)
正しい意味: 共通点だけを取り出して概念化する。
誤用: “なんとなく難しい”という印象で片づけてしまう。
🟦 まとめ:意味のズレを意識すると“文章の核心”がつかめる
誤用②の15語は、
一見理解しているように思えても、
評論での厳密な意味を知らないと筆者の主張を誤読しやすい語です。
意味の違いを押さえることで:
選択肢の微妙な違いが判断できる
筆者がどの立場から語っているかが見える
文章の“核心”を正確に読み取れる
といった大きな効果があります。
本文の意図がクリアに読み取れるようになります。

