🟦 はじめに:難関大で差がつく“抽象系四字熟語”
難関大学の現代文では、本文中に高度な概念を短い言葉で凝縮した“抽象系の四字熟語” が用いられることがあります。
これらは
- 思想的な概念
- 抽象的な心の動き
- 状況の複雑性
- 筆者の批評姿勢
を端的に示すため、意味がわかるだけで本文理解が一段深くなる語ばかりです。
四字熟語③では、特に難関大・記述力が問われる試験で頻出の15語を厳選して解説します。
🟦 四字熟語③:難関向け重要語15選
百家争鳴(ひゃっかそうめい)
意味: 多くの立場・思想が自由に議論し、主張を展開すること。
ポイント: 価値観の多様性・議論の活発さを示す文脈で使用。
森羅万象(しんらばんしょう)
意味: この世界に存在するあらゆる事物・現象。
ポイント: 世界観・普遍性・全体性を語る本文で登場しやすい。
面目一新(めんもくいっしん)
意味: 外見や印象がすっかり変わり、新しくなること。
ポイント: 社会変化・価値の更新などの論脈で使用される。
胸襟を開く(きょうきんをひらく)
意味: 心を打ち解け、飾らず素直に話すこと。
ポイント: 対話・相互理解を扱う文章で重要。
深謀遠慮(しんぼうえんりょ)
意味: 遠い将来まで見通した深い計画・配慮。
ポイント: 政治・組織・戦略論の評論で多用。
先憂後楽(せんゆうこうらく)
意味: 先に自ら苦労し、後で皆と共に楽しむこと。
ポイント: リーダー像・徳のある人物の描写で使われる。
質疑応答(しつぎおうとう)
意味: 質問とそれに対する返答。
ポイント: コミュニケーションや対話の構造の説明に登場。
清廉潔白(せいれんけっぱく)
意味: 心が清く、やましいところのないこと。
ポイント: 倫理的な立場や人物評価に関連。
泰然自若(たいぜんじじゃく)
意味: 何事にも動じず、落ち着いているさま。
ポイント: 心理描写・精神の成熟を示す語。
老成円熟(ろうせいえんじゅく)
意味: 経験を重ねて人格・技量が円熟していること。
ポイント: 芸術論・創作論に頻出の語。
質疑応答(しつぎおうとう)
(※重複したため別語に差し替えます)
不易流行(ふえきりゅうこう)
意味: 変わらない本質(不易)と、時代によって変わる部分(流行)の調和。
ポイント: 文化論・芸術論・教育論で非常に重要。
唯我独尊(ゆいがどくそん)
意味: 自分だけが特別で偉いと考える態度。
ポイント: 批判的な文脈が多いが、宗教的文脈では別義あり(注意)。
深山幽谷(しんざんゆうこく)
意味: 深く静かな山奥。転じて俗世から離れた静寂な境地。
ポイント: 心理・芸術・自然観で比喩として登場。
晴耕雨読(せいこううどく)
意味: 晴れの日には田畑を耕し、雨の日には読書する悠々自適の生活。
ポイント: 文明批評・ライフスタイル論で使われる。
厭離穢土(えんりえど)/欣求浄土(ごんぐじょうど)
意味: 穢れた現世を離れ、理想の浄土を求めるという思想。
ポイント: 宗教思想や文化論で深みを出す語。難関大でのみ登場。
🟦 まとめ:高度な四字熟語は“抽象思考の軸”になる
四字熟語③で扱った語は、抽象性・思想性が高く、難関大の文章で筆者の哲学・価値観を理解するうえで核になる語彙です。
特に以下の力が鍛えられます:
- 思想や価値観を抽象語でとらえる力
- 文脈のトーン(批評・称賛・皮肉など)を読む力
- 比喩・象徴表現から本質を抽出する力
四字熟語の学習は、単に語彙を増やすだけでなく、思考の伸びしろを作る作業でもあります。。

