問題
座標空間の4点\(O,A,B,C\)は同一平面上にないとする. \(s,t,u\)は0でない実数とする. 直線\(OA\)上の点\(L\), 直線\(OB\)上の点\(M\), 直線\(OC\)上の点\(N\)を\[\overrightarrow{OL}=s\overrightarrow{OA}, \overrightarrow{OM}=t\overrightarrow{OB}, \overrightarrow{ON}=u\overrightarrow{OC}\]
が成り立つようにとる.
(1)\(s,t,u\)が\(\frac{1}{s}+\frac{2}{t}+\frac{3}{u}=4\)を満たす範囲であらゆる値をとるとき, 3点\(L,M,N\)の定める平面\(LMN\)は, \(s,t,u\)の値に無関係な一定の点\(P\)を通ることを示せ. さらに, そのような点\(P\)はただ一つに定まることを示せ.
(2)四面体\(OABC\)の体積を\(V\)とする. (1)における点\(P\)について, 四面体\(PABC\)の体積を\(V\)を用いて表せ.
方針
(1)\(\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}\)は一次独立であることから、空間上の任意の点はある実数\(p,q,r\)を用いて\(p\overrightarrow{OA}+q\overrightarrow{OB}+r\overrightarrow{OC}\)の形で表すことが出来る。
ここで、\(\overrightarrow{OP}=p\overrightarrow{OA}+q\overrightarrow{OB}+r\overrightarrow{OC}\)とおくと\(\overrightarrow{OP}=\frac{p}{s}\overrightarrow{OL}+\frac{q}{t}\overrightarrow{OM}+\frac{r}{u}\overrightarrow{ON}\)となるため、
\(\frac{1}{s}+\frac{2}{t}+\frac{3}{u}=4\)を満たすどんな実数\(s,t,u\)においても点\(P\)が平面\(LMN\)上にある
\(\Leftrightarrow\)\(\frac{1}{s}+\frac{2}{t}+\frac{3}{u}=4\)を満たすどんな実数\(s,t,u\)においても\(\frac{p}{s}+\frac{q}{t}+\frac{r}{u}=1\)が成り立つ
上の式を\(s,t,u\)についての恒等式とみなすことで問題を解くことが出来る。
(2)求めたい体積を\(V’\)とおく。
直線\(OP\)と平面\(ABC\)の交点を\(D\)とおくと\(V:V’=OD:PD\)になることを利用して解く。
これより\(\overrightarrow{OD}\)を求めれば良いが、これについては\(\overrightarrow{OD}=k\overrightarrow{OP}\)として、さらに点\(D\)が平面\(ABC\)上にあるという条件を用いることで求めることが出来る。
解答


