共通テスト英語リスニングは、身近な会話から講義まで幅広い内容が出題され、設問形式も多様です。
音声は2回流れる問題と1回しか流れない問題に分かれますが、1回しか流れない問題を標準と考えて、一瞬の油断で聞き逃すことなく、準備力と集中力で得点力を上げるように心構えましょう。
ここでは、共通テストリスニング問題を3つのタイプに分けて、特徴と攻略のコツを整理していきます。
短い発話・イラスト問題
特徴
- 第1問・第2問で出題
- 短い発話や対話、イラストを用いた設問が中心
- 難度は高くないが、問題数が多く取りこぼし厳禁
短い音声だから簡単と思いがちですが、耳が慣れる前に終わってしまうこともあります。
ここで落とすと後半に響くため、確実に得点したい大問です。
攻略ポイント
- 選択肢を先読みし、異なる情報をチェック
- イラストは間違い探しのように観察し、予想単語を準備
発話を聞く前に選択肢をざっと見比べ、どこが異なっているのかを把握します。
肯定/否定、時制、人間関係の違いなど、引っかけポイントを意識しましょう。
イラスト問題では服装や位置、間取りの違いをチェックし、出そうな英単語(in front of, behind など)を予想しておくと耳が拾いやすくなります。
会話文
特徴
- 第3問以降に出題
- 家族や友人、大学構内など、日常的な場面の会話が多い
- 2人だけでなく3人以上の会話も出題される
選択肢に出ている単語が音声で使われても、内容が異なるケースがあり、リスニング独特の「ひっかけ」が潜んでいます。
攻略ポイント
- 話者の気持ちの変化をつかむ
- 紛らわしい情報に惑わされない
会話文では、情報だけでなく話者の感情の移り変わりも大切です。
特に but の後に本音が隠れているケースが多いため注意しましょう。
また、数字や曜日の処理(足し算や引き算)、似た発音の単語に惑わされないことも重要です。
言い換え表現を理解できるかどうかで正答率が変わってきます。
図表・講義問題
特徴
- 後半で出題
- グラフや図表に情報を埋める形式、講義を聞いてワークシートを完成させる形式
- センター試験から続く形式だが、最近は長めの講義形式が定着
図表・講義問題は設問形式そのものに慣れることが前提です。
形式を知らないと、先読み時間で内容が頭に入らずに混乱してしまいます。
攻略ポイント
- 増減・比較・程度を表す表現に慣れる
- 「先読み」「聞きながら読む」「後で読む」を区別する
- メモは最小限にとどめ、聞き取り優先
例えば「increase」「decrease」「remain stable」「gradually」などの表現を耳で聞き取れるようにしておくことが必要です。
また、先読みではすべてを読む必要はなく、重要部分だけに集中すること。
メモは数字や〇×程度にとどめ、聞き取りの妨げにならないよう注意しましょう。
まとめ
共通テスト英語リスニングは、大きく分けると
- 短い発話・イラスト問題:素早い情報整理と観察力
- 会話文:話者の気持ちの変化と紛らわしい情報の見極め
- 図表・講義問題:形式に慣れ、表現・先読み・集中力を駆使
という3つの力が問われます。
「ただ何となく聞く」のではなく、「何を聞き取るべきか」を意識しながら練習を重ねることが、得点アップへの一番の近道です。