問題
空間内に原点\(O\)を中心とする半径\(r\)の球面\(S\)がある。さらに, 半径が\(1,2,3\)の球面\(S_1,S_2,S_3\)があり, これら\(4\)つの球面のうちどの\(2\)つの球面も互いに外接している。\(S_1,S_2,S_3\)の中心を順に\(P_1,P_2,P_3\)とし, \(O,P_1,P_2,P_3\)は同一平面上にないとする。さらに, 球面\(S\)が球面\(S_1,S_2,S_3\)と接する\(3\)つの点と, \(\overrightarrow{OQ}=\frac{1}{4}(\overrightarrow{OP_1}+\overrightarrow{OP_2}+\overrightarrow{OP_3})\)により定まる点\(Q\)は, 同一平面上にあるとする。次の問に答えよ。
(1)\(r\)の値を求めよ。
(2)四面体\(OP_1P_2P_3\)の体積を求めよ。
方針
(1) \(S\)と\(S_1,S_2,S_3\)が外接する点をそれぞれ\(T_1,T_2,T_3\)とすると、これらが外接するという条件から\(\overrightarrow{OT_i}=\frac{r}{r+i}\overrightarrow{OP_i}\)となる(\(i=1,2,3\))。
4点\(Q,T_1,T_2,T_3\)が同一平面上にあるという条件から、ある実数\(s,t\)を用いて\(\overrightarrow{OQ}=s\overrightarrow{OT_1}+t\overrightarrow{OT_2}+(1-s-t)\overrightarrow{OT_3}\)となる。
これらを\(\overrightarrow{OP_1},\overrightarrow{OP_2},\overrightarrow{OP_3}\)について直して係数比較をし、\(r\)について解く。
(2) (1)の結果を用いて四面体のすべての辺の長さを求めることができる。
それを求めると、三角形\(P_1P_2P_3\)が\(\angle{P_3P_1P_2}=90^{\circ}\)となる直角三角形となることが分かる。
よって、点\(P_1\)を原点、直線\(P_1P_2\)を\(x\)軸、直線\(P_1P_3\)を\(y\)軸とする座標系を設定し、\(O(a,b,c)\)とおくことで四面体の高さ(\(=c\))を求める。
解答


補足
(2)の方針でおそらく「点\(O\)から平面\(P_1P_2P_3\)に下ろした垂線の足を\(H\)とおき、四面体の高さ(\(=|\overrightarrow{OH}|\))を求める」という方針を立てた人は多いだろう。
しかし、今回このような方針で計算すると計算がかなり煩雑になってしまうため、その方針で進めるのは現実的に難しい。
1つの問題に対して様々なアプローチの仕方が持てるよう日頃から意識して勉強し、問題によってそれらを使い分けられるようにしよう。

