【数学】2025年 慶應義塾大学 理工学部 大問5 解答解説

問題

座標平面上に3点\(A(x,0), B(x,y), C(0,y)\)をとる。ただし, \(B\)は単位円周上を動き, \(x>0, y>0\)である。このとき, 線分\(AB\)と\(BC\)の長さが等しくなる\(x\)の値は\(x=\)(ヌ)である。

次に, \(n\)を\(2\)以上の整数とし, \(k=1,2,……,n-1\)に対して\(x=\frac{k}{n}\)のときの線分\(AB\)と\(BC\)の短い方の長さを\(L_n(k)\)と表す。\(n=4\)とすると, \(L_4(k)\ (k=1,2,3)\)の最大値は(ネ)である。一方, \(n=5\)のとき\(L_5(k)\)が最大となる\(k\)の値は(ノ)と(ハ)の\(2\)個ある。同様に, \(2\)以上の整数\(a\)で, \(L_a(k)\)が最大となる\(k\)の値が\(2\)個あるものを考え, そのような\(k\)のうち大きい方の値を\(m\)とおく。このとき, \(m\)を\(a\)の式で表すと\(m=\)(ヒ)となる。また, \(b=3a+4m-2\)とおいたとき, \(L_b(k)\)が最大となる\(k\)の値も2個あり, それらの大きい方を\(a\)と\(m\)の\(1\)次式で表すと(フ)となる。

方針

(ヌ)死守。線分\(AB\)と\(BC\)の長さを\(x,y\)を用いて表し、\(AB=BC\)という条件式を立てる。

これと、点\(B\)が単位円周上にあるという条件式(\(x^2+y^2=1\))を連立することで、\(x\)の値を求める。

(ネ)以降については、(ヌ)の誘導をもとにして\(x=\frac{1}{\sqrt{2}}\)の前後で\(AB\)と\(BC\)の長さの大小関係が切り替わるということに注意して解く。

(ネ)\(k=1,2,3\)のときについて地道に求めることで、\(L_4(k)\)の最大値を求める。

(ノ)(ハ)(ヒ)\(x=\frac{1}{\sqrt{2}}\)の前後で\(AB\)と\(BC\)の長さの大小関係が切り替わり、さらに最大値をとる\(k\)では\(\frac{k}{n}\)が\(\frac{1}{\sqrt{2}}\)に近い値となっていることに気づいて欲しい。

そうすると、\(\frac{N}{n}<\frac{1}{\sqrt{2}}<\frac{N+1}{n}\)を満たすような自然数\(N,N+1\)が最大値をとる候補になると予想できるだろう。

(ノ)(ハ)については実際に\(n=5\)のときに上のことを考えることで2つの\(k\)の値を求める。

(ヒ)については、\(n=a\)のときについて\(L_a(N)=L_a(N+1)\)という条件式を立てて\(N\)について解くことで、\(m=N+1\)の値を求める。

(フ)これは(ヒ)において\(a\)を\(b\)に置き換えることで解く。

すると根号が含まれる形の答えが出てくるが、解答には「\(a\)と\(m\)の1次式で表せ」と書いてあることから、根号を外すことを試みる。

根号の中身をよく見ることで\((p\sqrt{2a^2-1}+qa)^2\)の形を作れそうだと予想をし、\(p,q\)の値を見つけることで根号を外す。

解答

補足

(ヒ)の解答において、条件式\(\frac{N}{a}<\frac{1}{\sqrt{2}}<\frac{N+1}{a}\)を用いて解くことで、ガウス記号を用いて\(m=[\frac{a}{\sqrt{2}}]+1\)と解いた人もいるかもしれないが、ガウス記号が入試においてことわりなく使われることは基本的にないため、これを解答に使用することはできない。

また、(フ)の解答の最後で実際に求まった\(M\)が条件「最大値をとる\(k\)の値が2つある」を満たしていることを確認しているが、今回は記述式ではないため答えを求めさえすればこの確認は最悪なくてもよい。

しかし、記述式で出題された場合はこの確認をせずに解答を作ると減点となる可能性が高いため、必ず確認するようにして欲しい。

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