【数学】2026年 早稲田大学 理工3学部 大問Ⅱ 解答解説

問題

\(k\)を自然数とする。方程式\[\sqrt{m-\sqrt{n}}+\sqrt{m+\sqrt{n}}-\frac{1}{k}\sqrt{mn}=0\]を満たす自然数の組\((m,n)\)を自然数解と呼ぶ。以下の問いに答えよ。

(1) 自然数解\((m,n)\)が存在するならば、\(2k^2\leq n<4k^2\)であることを示せ。

(2) それぞれの\(k\)に対して、自然数解が少なくとも1つ存在し、その個数は\(\sqrt{2}k\)より小さいことを示せ。

(3) \(k=3\)のとき、自然数解をすべて求めよ。

方針

(1) まずは与式をもう少し簡単な形にするため、\(\frac{1}{k}\sqrt{mn}\)を移項して2乗し、\(2m+2\sqrt{m^2-n}=\frac{mn}{k^2}\)とする。

その後、\(n\)が\(n<2k^2\)または\(n\geq 4k^2\)を満たすと仮定し、背理法によって矛盾を示す。

(2) (1)で変形した式に対し、\(2m\)を移項してさらに2乗することで、\(n=4k^2-\frac{4k^4}{m^2}\)が得られる。

\(n\)が自然数であることから\(\frac{4k^4}{m^2}=(\frac{2k^2}{m})^2\)も自然数であることが必要、よって\(m\)は\(2k^2\)の約数である。

これと(1)で示した不等式をもとにして、自然数解の個数が\(\sqrt{2}k\)未満であることが示される。

また、解の存在については\(n=4k^2-\frac{4k^4}{m^2}\)をもとにして\((m,n)=(2k,3k^2)\)が解の一つとなると言えばよい。

(3) (2)の考察で\(m\)が\(2k^2\)の約数となることが分かったため、そこから\(m\)の候補を絞り込んで考える。

\(m\)が定まれば\(n\)もただ一つに定まるので、これにより答えが求まる。

解答

与えられた条件式を(*)とおく。

(1) (*)を変形すると、\(\sqrt{m-\sqrt{n}}+\sqrt{m+\sqrt{n}}=\frac{1}{k}\sqrt{mn}\)となる。

両辺を2乗すると\((m-\sqrt{n})+(m+\sqrt{n})+2\sqrt{m^2-n}=\frac{mn}{k^2}\)、すなわち

\(2m+2\sqrt{m^2-n}=\frac{mn}{k^2}\)…(**)となる。

このとき、(**)を満たす自然数の組\((m,n)\)に対して\(2k^2\leq n<4k^2\)が成り立つことを示せば良い。

今、(**)を満たす自然数の組\((m,n)\)で、\(n<2k^2\)または\(4k^2\leq n\)が成り立つものが存在するとする。

(i) \(n<2k^2\)のとき、\((右辺)<\frac{m\cdot 2k^2}{k^2}=2m\)、\((左辺)\geq2m\)(※下の補足参照)より、

明らかに\((左辺)\ne (右辺)\)となり不適。

(ii) \(4k^2\leq n\)のとき、\(n>0\)にも注意すると\((右辺)\geq \frac{m\cdot 4k^2}{k^2}=4m\)、\((左辺)=2m+2\sqrt{m^2-n}<2m+2\sqrt{m^2}=4m\)より、明らかに\((左辺)\ne (右辺)\)となり不適。

よって、背理法により\(2k^2\leq n<4k^2\)が成り立つ。

(2) (**)を移項して\(2\sqrt{m^2-n}=\frac{mn}{k^2}-2m\)とし、両辺を2乗することで

\(4(m^2-n)=\frac{m^2 n^2}{k^4}-\frac{4m^2 n}{k^2}+4m^2\)となり、これを整理することで

\(n(\frac{m^2 n}{k^4}-\frac{4m^2 }{k^2}+4)=0\)が得られる。

\(n>0\)に注意して上の式を\(n\)について解くと、\(n=4k^2-\frac{4k^4}{m^2}\)…①となる。

これと(1)より、\(2k^2\leq 4k^2-\frac{4k^4}{m^2}<4k^2\)となるため、\(m\geq \sqrt{2}k\)が得られる。

今、\(n=4k^2-\frac{4k^4}{m^2}\)が自然数となるための自然数\(m\)の必要十分条件は、\(m\)が\(2k^2\)の約数のうち\(\sqrt{2}k\leq m<2k^2\)を満たすものとなることだが、\(\sqrt{2}k\)が自然数になり得ないことに注意すると、この\(m\)は\(1\)以上\(\sqrt{2}k\)未満の\(2k^2\)の約数と1対1に対応する。

よって、条件を満たす\(m\)の個数は多くても\(\sqrt{2}k\)未満となり、\(m\)に対して\(n\)が\(n=4k^2-\frac{4k^4}{m^2}\)という関係により一意的に定まることに注意すると、(*)を満たす組\((m,n)\)は\(\sqrt{2}k\)個未満となる。

また\(m=2k\)のとき、①より\(n=3k^2\)だが、実際その組は(*)を満たす。

((*)から(**)、(**)から(***)を作る過程で両辺を2乗しているが、\(2k^2\leq n<4k^2\)にも注意すると、2乗する前の両辺の符号がともに非負であることが分かるため(*)、(**)、(***)はすべて同値であることに注意。)

よって、自然数解は少なくとも1つ存在することも示された。

(3) (2)での考察より、\(k=3\)のとき、\(m\)は\(3\sqrt{2}\)以上の\(2\cdot 3^2=18\)の約数となる。

これより、\(m=6,9,18\)である。

\(m=6\)のとき、\(n=4\cdot 3^2-\frac{4\cdot 3^4}{6^2}=27\)

\(m=9\)のとき、\(n=4\cdot 3^2-\frac{4\cdot 3^4}{9^2}=32\)

\(m=18\)のとき、\(n=4\cdot 3^2-\frac{4\cdot 3^4}{18^2}=35\)

よって、求める自然数解は\((m,n)=(6,27),(9,32),(18,35)\)である。

補足

(1)の(※)部分に関して: もし(**)が成り立つならば\(\sqrt{m^2-n}\)は必ず実数となり、特にこのとき\(\sqrt{m^2-n}\geq 0\)が成り立つことに注意する。

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