問題
\(xy\)平面上の曲線\(C: y=\sqrt[3]{x^2+2}\)を考え, \(C\)上の\((0,\sqrt[3]2)\)以外の点\(P(a,b)\)における接線を\(l: y=kx+c\)と表す。\(C\)と\(l\)の方程式から\(x\)を消去して得られる\(y\)についての3次方程式\(f(y)=0\)は\(b\)を重解としてもつので, もう1つの解を\(b’\)とする。ただし, \(b\)が3重解のときは\(b’=b\)とみなす。次の問に答えよ。
(1)\(2b+b’\)を\(k\)のみの分数式で表せ。
(2)\(b’\)を\(b\)のみの分数式で表せ。
(3)\(C\)と\(l\)の共有点で, その\(y\)座標が\(b’\)であるものを\(P'(a’,b’)\)とする。\(a\)と\(b\)が有理数ならば, \(a’\)と\(b’\)も有理数であることを示せ。
(4)\(b\)が奇数\(p,q\)と負でない整数\(r\)を用いて\(b=\frac{p}{2^rq}\)で与えられるとする。有理数\(b’\)を奇数\(p’,q’\)と整数\(s\)を用いて\(b’=\frac{p’}{2^sq’}\)と表すとき, \(s\)を\(r\)を用いて表せ。
(5)\(P(5,3)\)が曲線\(C\)上の点であることを利用して, \(C\)上に\(x\)座標と\(y\)座標がともに有理数であるような点が無数に存在することを示せ。
方針
(1)方程式\(f(y)=0\)の解が(重複を除いて考えると)\(b,b,b’\)となることに注目する。
解と係数の関係により、\(2b+b'(=b+b+b’)\)が求まる!
(2) (1)で\(2b+b’\)を\(k\)を用いて表していたため、\(k\)を\(b\)で表すことができないかを考える。
その際、\(k\)が点\(P(a,b)\)での接線の傾きであったことを思い出す。
(3) (2)で求めた式を用いて考える。
(4) (2)で求めた式に\(b=\frac{p}{2^rq}\)を代入して考える。
その際、求めた式に対して各部分の偶奇をしっかりと確認する。
(5) 点\((5,3)\)を\((a,b)\)として考えて有理点(座標がともに有理数となる点)\((a’,b’)\)をとり、 点\((a’,b’)\)に対して同様に有理点\((a”,b”)\)をとり、点\((a”,b”)\)に対して同様に有理点\((a”’,b”’)\)をとり、…という操作を無限に繰り返せることを証明する(このような考え方は大事である。)。
その際、上のようにしてとった有理点の中で重複が生じないということも確認が必要である。
解答


補足
「無数に存在する」ことの証明は慣れていない人からすると何から手をつければいいかが分からないと思うが、解法の一つに今回扱った「ある性質を満たすものを帰納的に作り出す」というものがある。
(これは覚えておくとともに、次回類題にあった際はなるべく解けるようにして欲しい。)
今回は(3),(4)を設けたことでその誘導が丁寧になされていたため、慣れている人からしたら方針は立てやすかったのではないかと思う。

